会長あいさつ

ごあいさつ

会長

平成28年1月1日
全国保健所長会 会長 宇田 英典

 全国保健所長会は、全国の保健所が相互連携することにより、わが国の公衆衛生の向上に努め、国民の健康の保持・増進を図ることを目的として、(新)保健所法へ改正された1947年(昭和22年)に組織されました。

 保健所は、これまで、地域における公衆衛生の専門機関として、結核等の感染症対策、栄養改善、母子保健の改善、廃棄物や飲料水対策、食中毒対策等、幅広い公衆衛生対策を行ってまいりました。近年では、国際交流の活性化にともなう新興・再興感染症のアウトブレイクへの対応、大規模災害後の公衆衛生の確保、少子高齢化・人口減少時代に見合う保健医療体制の維持、生活習慣病や認知症と言った非感染性疾患への取り組み、予防から医療、介護等を包含した地域包括ケアシステムの構築や発展といった新たな課題への対応も重要となってきています。

 これら多くの課題に対処するため、全国保健所長会では、5つの担当理事会と2つの委員会が中心となって、教育研修、広報、研究事業、国への要望活動、関係機関・団体との連絡調整等、様々な活動を行っています。なかでも「健康危機管理」と「地域保健の充実強化」、そしてそれらを実現するための「公衆衛生医師の確保と育成」は重要な課題です。

 健康危機管理の対象となる事象は、エボラ出血熱や新型インフルエンザ、デング熱等の感染症、多剤耐性菌の院内感染、広域化、重症化している食中毒や東日本大震災等の自然災害等、多岐にわたります。健康危機管理は、国、都道府県や保健所などの公的機関が中心となってネットワークを充実強化し標準化を進めることが重要です。人的・物的支援体制や関係機関・団体等との連絡調整体制等の体制整備をはじめ、危機事象発生時の評価、実際の支援を行うための人材確保・育成等、公的機関が果たすべき責務は大きいと考えます。

 また、身体・精神いずれの障害・疾病の有無にかかわらずすべての人が、健康で、その人らしく、住み慣れた地域で、可能な限り生活していくことができる地域づくりは、これからの社会の基軸です。そのためには地域の現状やニーズ、保健・医療・介護・福祉資源といったそれぞれの地域特性を踏まえた細やかな対応が不可欠です。住民の皆さんはもとより、近接性、包括性といった強みを有する市町村、地域の関係機関・団体等と協働しながら、地域保健活動をさらに充実強化していく必要があります。このような平時の活動を通じた信頼関係や連携体制は、適切な健康危機管理のためにも重要です。

 さらに、保健所が地域における公衆衛生の一線機関として、その役割と機能を十分に果たしていくために、私たち自身が「公衆衛生マインド」をもった医師として、さらに研鑽するとともに、これからの公衆衛生を担う人材の確保・育成に努めていかなければならないと考えております。

 時代の変化とともに、組織の責務や役割は変わりますが、地域の健康水準の維持・向上に向けて、公衆衛生の専門機関としての役割を果たしていくことは、変わることのない私たち保健所の使命です。今後とも、皆様の一層のご理解とご支援をお願い申し上げます。

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