会長あいさつ

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全国保健所長会会長 
内田勝彦(大分県東部保健所)

このたび、山中朋子会長から全国保健所長会の会長職を引き継ぐことになりました、大分県東部保健所の内田勝彦と申します。全国で新型コロナウイルス感染症対策に奮闘している会員の皆様、どうかよろしくお願い申し上げます。

皆様をはじめとする全国保健所職員が、地域住民の命と健康を守るため、昼夜を問わず、総力を挙げてこの新興感染症に立ち向かっていることを誇りに思います。全国保健所長会といたしましても3月6日に国への緊急要望を行い、3月25日には全国保健所に緊急アンケートを実施しその結果を会員に還元するとともに国にも伝えております。専門家会議によりますと、これまでのクラスター対策を含めたさまざまな対策により流行を遅らせるなど一定の成果は出ているものの、我が国においても感染拡大を食い止めることは難しく長期にわたる対応が必要と予測されています。保健所には、感染症法に基づく感染拡大防止対策と共に、感染拡大を想定した医療提供体制の確保について調整機能を発揮することが求められています。全国保健所長会では今後も必要な対応を適時適切に実施してまいります。会員の皆様におかれましても、地域の健康危機管理拠点として保健所が期待されている今こそ、着実な公衆衛生活動を続けていただきますようお願いします。

全国保健所長会について

全国保健所長会は、全国の保健所が相互連携することにより、わが国の公衆衛生の向上に努め、国民の健康の保持・増進を図ることを目的として、戦後の保健所法が制定された1947年(昭和22年)に組織され、2017年(平成29年)に70周年を迎えました。 保健所はこれまで地域における公衆衛生の専門機関として、感染症・食中毒対策、母子保健の向上、栄養改善、廃棄物や飲料水対策など、地域の保健・医療・環境行政を第一線で担ってきました。一方、保健所法は、1994年(平成6年)の全面改正により、地域保健法となり、広域的、専門的な公衆衛生行政を担う保健所と地域住民に身近なサービスを提供する市町村とが重層的に協働して、「地域保健」を担っていくこととなりました。

保健所の機能としては、近年、グローバル化による新興・再興感染症のアウトブレイクや広域での感染症や食中毒の集団発生、大規模災害時における保健医療等のマネジメントといった健康危機管理対応のほか、少子高齢化・人口減少時代に見合う保健医療体制の確保、予防から医療、福祉、介護等を包含したすべての住民を対象とした地域包括ケアシステムの構築や発展といった課題への対応も重要となってきております。 健康危機管理においては、平常時から、地域住民が障がいの有無にかかわらず、住み慣れた地域で生活できる地域づくりを目指し、保健、医療、福祉、介護関係者、さらには、生活支援や移動支援等を行う関係者・機関・団体が日頃から連携体制を構築しておくことが重要であり、健康危機管理体制の構築と地域包括ケアシステムの構築は一体的なものと考えております。

一方、現在、全国の保健所は、地域保健法制定後より減少を続け、2019年(平成31年)4月現在、472か所と最も多くあった時期と比較すると約6割に減少しております。さらに、そのうち、保健所長が兼務となっている保健所は約1割という状況が続いており、公衆衛生医師の確保と養成も、大きな課題となっております。2016年(平成28年)に発足した社会医学系専門医制度により、約130名の専攻医が地域・行政プログラムを研修しております。本制度を活用して、専攻医として公衆衛生の現場で研修をされる人材が増えていくよう、指導医として研鑽を積むとともに、公衆衛生医師としての活動の醍醐味を実感していただける場を作っていきたいと考えています。

全国保健所長会の活動を紹介いたします。

全国保健所長会では、地域保健充実強化、健康危機管理、公衆衛生医師確保育成の3つの委員会を設置し、全国保健所長会としての方針や国等への提言の検討などを行っております。また、理事会の下に、総務、渉外、学術、研修、広報担当理事会をおき、全国保健所長会の業務運営に係るそれぞれの役割を担っていただいております。

また、研究事業では、厚生労働省や日本公衆衛生協会のご協力の下、地域保健総合推進事業(全国保健所長会協力事業や国際協力事業)により、研究や実践活動を行っております。この事業は、全国のいろいろな地域の若手からベテランまでの保健所長の皆様に参加していただいており、多くの保健所に共通の課題について検討を行うとともに、活動をとおして保健所長間の顔の見えるネットワークづくりができ、有意義な事業となっています。年度末には、皆様のお手元に報告書が届きますので、ぜひ、職員の皆様とともに、活用してくださいますようお願いいたします。

全国8ブロックで開催している保健所連携推進会議では、厚生労働省の技官による国の地域保健の動向の講演のほか、ブロック共通、あるいは地域の実情に合ったテーマで講演やグループワークを行っており、県域を越えた連携の推進を図っています。山中会長は、この会議に、必ず参加して、直接、会員の皆様からご意見を伺っておりました。私もこれを継承いたします。どうかよろしくお願いします。

そのほか、厚生労働科学研究費による各種研究にも参画しており、広域大規模災害時における地域保健支援・受援体制構築に関する研究(服部班)や、地域保健における保健所に求められる役割の明確化に向けた研究(尾島班)にもたくさんの保健所長さんに参加いただき、その成果は災害時健康危機管理支援チーム活動要領等に反映されております。

全国保健所長会は会員の皆様のための団体です。全国保健所長会に対してご意見、ご要望がありましたら、事務局にお寄せいただきたいと思います。

どうぞよろしくお願いします。

令和2年 4月

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