image  研究事業(各種学会等受賞者紹介)

掲載:2024.03.05

2023年第82回日本公衆衛生学会で奨励賞を受賞された【盛岡市保健所 矢野亮佑先生】にインタビューしました。(全国保健所長会 広報担当)

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Q 受賞後の感想を一言お願いします。

A

誠に光栄と存じると同時に大変恐縮しております。内田会長はじめ全国保健所長会からご推薦頂いたことに心からお礼申し上げます。また、地域保健総合推進事業(全国保健所長会協力事業)を通じて班として受賞したものと捉えており、班員やアドバイザーに改めて感謝の気持ちでいっぱいです。


Q テーマは「グローバル化時代における保健所の機能強化と国際社会への貢献に関する研究」です。

A

Covid-19で明らかになったように、公衆衛生の課題に国境はありませんが、国ごとの公衆衛生のシステムがあることも事実です。この研究は、どのような動機ではじめられたのですか? この研究は当時の宇田会長のお声掛けで発足し、現在保健所に勤務する国際保健従事歴のある、あるいはグローバルヘルスに関心がある医師等が集まり、当初はグローバルヘルスの人材確保は国内地域公衆衛生人材の確保にも資するのではという仮説から始まりました。 班内でのワークショップを重ねてミッションを明確化・拡充し、現在の活動は以下の3つの柱から構成されています。

  1. 国際・国内双方に貢献できる公衆衛生人材育成の模索
  2. 日本のこれまでの保健衛生行政経験からの国際社会への貢献
  3. 国内の地域においてもグローバル化・多様化が進む時代における保健所の機能強化

これまでは例えば、国内外の保健行政に従事経験がある医師等へインタビューを重ね国内外に相通じるコンピテンシーの言語化を試みたり、他国から受け入れる保健衛生行政関係者等を対象とした研修の場で講師となる自治体職員の負担軽減と質のさらなる向上を目的に『日本の保健医療を学ぶ外国人研修生向け教材集』を作成したり、外国人住民が比較的少ない地域の保健所であっても対応ができるよう『保健行政窓口のための外国人対応の手引き』や『保健行政のための多言語行政文書集』を作成したりして参りました(いずれも各リンクからダウンロード可能)。


Q 今後の抱負を教えてください。

A

班員全員が、国内も海外も社会背景等は違えど問題の根本は意外と同じという感覚を持っています。それ故、求められる能力はある程度共通しているとともに、また日本の保健衛生行政経験が他国に役立つこともあれば、他国の取り組みが日本の地域に資することもあると考えております。「Think globally, act locally.」の精神に基づき、微力ながら国内外の地域公衆衛生の向上に貢献していければと思っております。引き続きご指導・ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。


事務局(全国保健所長会 広報担当)より

過去にも会員の方があらゆる素晴らしい賞を受賞されています。今後も機会ある毎に各学会等で受賞された会員の先生方のご紹介をしていきたいと思います。皆様からの自薦、他薦も問いませんので、是非、事務局までご連絡ください。

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