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● 医療制度改革緊急アピール 

 平成18年昨年10月24日富山で開催された第63回全国保健所長会総会において、「医療制度改革における保健所の役割」が協議されました。
 医療制度改革は、国民の健康への影響はもとより市町村や地域の保健医療に大きな影響を及ぼすことから、保健所が緊急かつ積極的に取り組むべき課題であること、圏域毎の医療計画作成に保健所が関与すべきことなどが会員協議の場で認識されました。「地域保健の充実強化に関する委員会」では会員の皆様からのご意見を取り入れ総会時の原稿を一部手直しして以下のような「医療制度改革における保健所の役割強化に関する緊急アピールを会員向けに出しました。



「医療制度改革における保健所の役割強化に関する緊急アピール」
全国保健所長会「地域保健の充実強化に関する委員会
平成19年1月15日

 医療制度改革は、国民の健康への影響はもとより、市町村や地域の保健医療福祉資源にも甚大な影響を及ぼすものであり、保健所にとっても緊急かつ積極的に取り組むべき重要課題である。
 厚生労働省は、医療制度改革における中長期的な医療費抑制策として健康増進計画と医療計画、介護保険事業支援計画を策定・推進する都道府県の役割の重要性を強調している。しかし、この改革は「生活習慣病の予防と在院日数の短縮による地域包括ケアへの移行」を基本としていることから(別添の図を参照)、本庁の取り組みに加え、地域に密着し、地域の実情が良くわかっている保健所が、また身近な医療行政に深く係わっている保健所が、圏域計画である地域保健医療計画を策定・推進するとともに、関係する市町村計画等との調整役を担う必要がある。また、医療制度改革の柱である「生活習慣病の予防」から「地域医療連携の推進」、「地域包括ケアシステムの整備」まで一貫して積極的に係わり、地域(圏域)の保健医療福祉資源を広域的かつ総合的に調整(マネジメント)することにより、国民の視点に立った、また地域の実情に即した改革にする必要がある。
 こうしたことから「地域保健の充実強化に関する委員会」において、この課題について緊急に検討し、@生活習慣病の予防、A地域医療連携の推進、B受け皿となる地域包括ケアシステムの整備の3項目に分けて、医療制度改革における保健所の役割について概括的に項目整理した。その上で、全国の保健所長に対し、この課題を保健所の最重要課題の一つとして、緊急かつ重点的に取り組むことを提起する。併せて、下記の項目(案)を参考にしながら、これまでの取り組み事例や現在取り組んでいる事例など、全国の保健所による先駆的な実践事例を早急に集めることにより(岡班、櫃本班とも連携:注を参照)、今後、保健所が果たすべき役割について具体的な肉付けをするとともに、そのノウハウを互いに共有し拡大する取り組みを開始することを提起する。

以上2項目について、全国の保健所長に対する要請を行い、緊急アピールとする。
(注)岡 班:「地域医療連携体制の構築に関する研究班」
        〜医療連携体制の調整機能を発揮している保健所の事例調査〜
   櫃本班:「地方分権と保健衛生行政に関する調査研究班」
〜医療制度改革と保健所の役割に関する保健所全数アンケート調査〜



1) 生活習慣病の予防 (政令市、中核市等においては、内部課題)
@ 市町村と協働したコミュニティ・アプローチの推進(健康なまちづくりの推進)
ア)個々人の努力で解決できない生活環境面の課題の把握(職域も含む)
イ)市町村との協働による上記の課題を解決する住民主体の健康なまちづくりの推進
(管内の健康づくりの取り組み拠点(地域保健法の基本指針)として助言指導)

A 関係部門、関係機関間の連携支援
広域的かつ専門的、第三者的な立場から、地域・職域連携推進協議会を活用するなどして下記の連携推進のための調整役を担う。
ア) 地域保健(ヘルス)と地域保険(国保)の連携調整
・ 地域を基盤とした活動展開(コミュニティーアプローチ)を基本とするポピュレーションアプローチとハイリスクアプローチの一体的な推進
イ) 地域保健(ヘルス)・地域保険(国保)と職域保険(政官健保等)の連携調整
・ 市町村を超えた地域保険(国保)と職域保険の連携調整、産業医の理解協力等
・ 市町村の地域保健(ヘルス)と職域保険との連携
ウ) 医療保険者(特に国保)と医療機関等との連携調整
・ ハイリスクアプローチにおける医療機関と保険者の連携調整
・ ハイリスクアプローチにおける質の高いアウトソース機関の確保・調整
エ)保健師、栄養士等の確保と人材育成

B 市町村による計画の策定から評価までの技術支援と各種計画間の総合調整
ア)国保による特定健康診査等実施計画が、市町村健康増進計画・介護保険事業計画と一体的に策定・推進されるよう支援(技術的な助言、関係部門間の調整)
イ)医療計画における特に脳卒中、心筋梗塞、糖尿病に関する計画との整合性の取れた計画づくりの支援
ウ)医療費適正化計画と市町村計画の整合性に関する調整
2) 地域医療連携(医療機能の分化と連携)の推進
ア)地域連携クリティカルパスなどの医療機関間の連携調整と医療福祉連携の推進
 保健所の公平・専門的な立場を活かして、地域毎(圏域毎)に地域医療連携の関係者が情報共有する場づくりをするなど、連携推進のためのコーディネーションをする。(医療計画に基づく地域保健医療協議会や地域リハビリテーション広域支援センター等を活用)
・ 特に、脳卒中、心筋梗塞、糖尿病、がん対策に関する地域連携クリティカルパス
・ 医療と福祉の連携推進(退院前後の医療と福祉の連携)
イ)住民(利用者)支援(医療情報の提供による適切な医療の選択支援)
・ 地域の医療機関情報の収集と確認
・ 情報公開された医療機関の機能情報を地域住民にわかりやすく情報提供
・ 医療相談の実施や上手な医師のかかり方の普及啓発など、医療機関と地域住民(利用者)の架け橋的な役割を果たす(医療安全支援センター機能)

3) 受け皿となる地域包括ケアシステムの整備
ア)地域ケア整備構想に基づく療養病床の再編
イ)在宅(居宅)医療の基盤整備、介護保険事業計画との調整
ウ)在宅(居宅)患者を中心とした医療福祉連携の仕組みづくり(退院後の医療福祉連携)




関連ページ
 厚生労働省;医療制度改革関連資料 厚労省のページにジャンプします。

平成19年1月15日HP掲載
 平成18年度地域保健総合推進事業 地域医療連携体制構築報告書 (平成19年7月31日掲載)

 


Japanese Association of Public Health Center Directors