公衆衛生医師とは


公衆衛生医師イメージ

 公衆衛生の定義として最もよく知られているのは、アメリカの公衆衛生学者Winslowのものです。
「公衆衛生とは、生活環境衛生の整備、感染症の予防、個人衛生に関する衛生教育、疾病の早期診断と治療のための医療・看護サービスの組織化、および地域のすべての人々に健康保持に必要な生活水準を保証する社会機構の整備を目的とした地域社会の組織的努力を通じて、疾病を予防し、寿命を延ばし、身体的・精神的健康と能率の増進を図る科学であり技術である。」(1920年)

 公衆衛生には多くの分野があり、世界中のさまざまな場所で働く医師がいますが、全国の保健所や都道府県庁など地域保健分野で働く医師もその一人です。ここでは「公衆衛生医師」と呼ぶことにします。

 公衆衛生医師は、病院や診療所等といった医療機関の臨床現場で働く医師とは仕事内容が大きく異なることもあり、一般市民からだけではなく、医療従事者からもどのような仕事をしているのか十分理解されていないのが現状です。

 これまで公衆衛生医師は、感染症、母子保健、生活習慣病・がん、難病、精神保健福祉、食品や環境などに関する生活衛生、医事・薬事などの分野で取り組みを行ってきました。加えて近年では、地域包括ケアシステムの推進や健康危機管理への取り組みなど、一つの専門性だけでは解決できない課題に対して、医療や介護・福祉の専門職、地域住民を含む関係者、関係機関等と協働しながら行政の立場から対策を講じていくような仕事に、全国の公衆衛生医師たちが取り組んでいます。

 全国の都道府県や、政令市・中核市は、地域保健法に基づいて保健所を設置することが定められています。また、保健所長は原則として医師であることも定められています。

 そのため、保健所を設置している全国の自治体では、保健所長をはじめとした地域保健分野で働く医師を公衆衛生医師として雇用していますが、その多くははじめから公衆衛生分野で働いていたわけではなく、5年から10年、中には30年近く臨床分野で働いた後に転職してきた医師たちです。各自治体に就職した後に、地域保健分野の実務経験や様々な研修等を通じてスキルアップを図りながら、公衆衛生医師として勤務を続けています。

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参考

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